今チームの中で取り組んでいることは、習慣化とそれぞれのメンバーに蓄積されている知識を表に出してチームで活用できるようにすることだ。習慣化については、以前個人の話としては 習慣化する上で考えてること で書いたものをチームの中でどうやって実装するかに頭を悩ませている。一方で後者については、まず知識のチーム内での流通みたいなことを整えるところから始めている。
この知識の流通の方法に対するアレンジの癖みたいなものが自分の中でありそうだったので、言語化してみることにした。
おそらく自分は、背景情報への依存度に注目して知識流通のための方法をアレンジしている。これが2軸4象限で切り分けてるよ、とかになるとフレームワークっぽくて格好いい(し、2軸の組み合わせは割と1軸ではグレーなところもわけるための力が働いて好き)のだが、もう一つの軸は考えても思い浮かばなかった。もし、これに加えると良い軸があるのであれば教えてほしい。
というわけで、依存度合いとそれに応じて優先する知識流通方法のセットについて書いてみようと思う。あくまで阿部の癖だ。これが正解とは限らない。
また、ここでいう背景情報への依存度というのは、若干曖昧な定義を許容していることもご容赦願いたい。大まかには、関連する人やチームの状況、経緯、知識への理解度などのようなことを含んでいる。
例えば技術情報などは比較的依存度が低い。技術に限らずドメインの基礎知識、(狭い範囲での)常識に類することもこれに該当する。
こういうものはドキュメント化を中心にする。独立性が高いので、流通するうえでも付随する参考情報が少なくて済む。想定読者という問題はあるが、ここを揃えておけば、流通するうえでそれだけで良い状態を作ることはドキュメント化の基本だろう、と思っている。
より行動に注目する場合はルールになってくるか?ルールは若干別の観点で語るべき話である気もしている。
もしかして2軸になってるか?
例えば、受託で開発案件に携わっているメンバーがいて、ある案件で得られた知識を共有したい場合。こういうときは、共有される側がその背景に登場する状況と、全く同じではないが類推できるだけの経験がある。状況の属性を説明すれば良い、と書けば説明可能か。受託案件に限らずこのような状況下で、それぞれ異なるシチュエーションで同じ仕事をやっていることはあると思う。コンサルとか弁護士とか士業っぽいのばかり想像してしまうけども。
今のチームでは、こういうときにハンガーフライト(もしくはそれに近い形式の共有会)をやっている。案件で学んだことを、そこに至るまでの経緯や意思決定の過程、要素を共有し、参加者からの質疑応答で深めていくやり方だ。発表者は言語化や説明を通じて学びの内容を構造化できるし、参加者は自分で経験したものでなくても、新たなシチュエーションや選択肢を得ることができる。
より、状況とそこからのアクションがセットになって頻出するようになったら、パターンなどを使って形式化していくのだろう。こうなると、知識としては依存度が下がっていく。
2軸かもと思ったが、他の方法に関してはコンテキストの共有度合いあまり関係なかった。
例えば共有する側とされる側で知識差が大きい場合などはペアワーク、レビューなどより直接的に仕事に介入して教えるやり方を知識流通のために利用することが多い。これは、知識量が多い側では暗黙になっている考え方などをより必要な時点で共有できるから、というのが多分大きい。
もしくは、このような知識差を前提にしなくても、ラバーダックデバッグなどにもある通り、思考過程をあえて言語化したり説明したりするとで明確になる効果もある。やってみるとわかるけど、結構疲れる。意外と人間は入ってきた情報に対して反射的に処理している。
そういう意味では依存度によらず使えるのかもしれない。